新年度といえば、デジタル教科書だ。
紙の教科書をデータ化したデジタル教科書が、全小中学校に新年度から無償で提供されるということで注目されている。
デジタル教科書
2018年5月の学校教育法等の一部を改正する法律により、2019年4月から紙の教科書の一部をデジタル教科書に代えて使用することが認められるようになった。
デジタル教科書を取り入れることで、音声や動画などを用いた、より効果的な学びを実現できるのは嬉しい。
ただ、本格導入は2024年度となるため、2年後に向けた実証事業となる。
文部科学省は昨年の21年度、導入に向けた実証事業として、小5~中3を対象で、使用を希望した全国の4割の学校へ任意の1教科分のデジタル教科書と動画などが流れる付属のデジタル教材を無償で配布している。
そのため、既に利用している人も多いかもしれない。
そして、この新年度からは、同じ学年の国公私立の全小中学校と特別支援学校、小学校の重点校の小1~小4に提供されることになる。
さらに、外国語を全対象者に配布して、デジタル教科書や教材から流れる朗読音声などを使うことの有効性が検証されるそうだ。
早い段階でネイティブ発音を好きなタイミングで、何度でも繰り返し聞けるのは大きな効果を期待できる。
単語単位での発音を何度も聞けるというのも大事だが、例文などの文章をネイティブな発音で聞けるようになるのは外国語を学ぶ上で非常に有効と言えるだろう。
また、希望する自治体や学校の中から調整して、他の教科からも1教科分を提供してくれるらしい。
特に、算数・数学や理科では、図形や実験、観察を動画で学べるため、理解力を高めたり、危ない実験を安全に観察できる効果は高い。
デジタル教科書の問題
デジタル教科書の導入には期待が高まる反面、まだまだ問題もある。
それは、教科書を作成している会社によって、性能や仕様がまちまちなことだ。
この問題に関して文部科学省は、標準的な要件を決めるらしいので、それほど大きな問題ではないだろう。
それよりも重要なのが、学校サイドになる。
指導者のITスキル問題、トラブルによる授業の進行が遅れてしまうことの方が問題だろう。
また、自宅学習での利用に関する課題も考えられる。
ただ、それらの問題よりも、効率的に学べたり、学習効果の高い勉強ができるのは、将来を担う子供たちにとって大きい。
なお、文部科学省では、デジタル教科書を採用する教科や紙の教科書と同様に、無償化するかどうかの判断を22年中に決める方針としている。
子供を持つ家庭としては、今後も目が離せない。
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今回の内容は、2022年1月13日にポッドキャストで配信されている。
ぜひともラジオ感覚で、ポッドキャストを楽しんでもらいたい。
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