個人が自由に情報を発信できるようになり、独特の言葉が使われて広まってしまうのに、疑問を感じることがある。
ITに関することで挙げるなら、ブラインドタッチという言葉だ。
このブラインドタッチという単語は、キーボードを見ずにタイピングする技術のことを指しているが、正しくは、タッチタイピングと言う。
しかし、タッチタイピングという表現よりも、ブラインドタッチと表現する方が、多くの日本人に通じる。
それなら問題ないじゃないか、そう言う人も多いが、IT業界、特にIT教育に関わる人には、正しい言葉を使ってもらいたい。
ただ、このタッチタイピングとブラインドタッチとは違い、同じ意味でも呼び方が違う単語もある。
それが、アプリとソフトだ。
アプリなの?ソフトなの?
スマホを活用するために必須のものが、アプリだ。
ただ、このアプリのことをソフトと表現する人もいる。
アプリとソフト
どちらの単語も間違いではない。
このアプリという単語は、実は略語になる。
正式には、アプリケーションソフトウェアと言う。
しかし、それでは長すぎるため、省略した呼び方がされるようになった。
それが、アプリとソフトだ。
アプリという呼び方は、携帯電話で個別にインストールできるアプリが登場してからになる。
しかし、この頃は、まだアプリという呼び方は広まっていない。
スマートフォンが登場して、アプリをダウンロードするためのアプリストアから、アプリという呼び方が定着した。
そして、アプリという呼び方が定着する前までは、ソフトと呼ばれていた。
パソコン本体や周辺機器のことを、ハードウェア。
パソコンを便利にする、ソフトウェアと分類されているからだ。
そして、このソフトウェアは更に2種類に分けられる。
それが、基本ソフトウェアと応用ソフトウェアだ。
基本ソフトウェアは、WindowsやmacOS、AndroidやiOSといったオペレーティングシステム、OSと呼ばれるものになる。
そして応用ソフトウェア、つまりアプリケーションソフトウェアが、いわゆるアプリだ。
そのため、この2つを分かりやすくするために、アプリケーションソフトウェアのことをソフトと省略されるようになった。
ちなみにSoftBankは、ソフトが大量にある場所という意味合いが、名前の由来になっている。
それほどソフトという呼び方が定着していた。
アプリとソフト
呼び方は違えど、どちらもアプリケーションソフトウェアのことを指しているので、どちらの名称を使っても正解だ。
- スマホやタブレットで使用するものをアプリ
- パソコンで使用するものをソフト
このように、2つを使い分けることが多いだろう。
アプリとソフトのように、省略しても似たような単語であれば問題ない。
しかし、まったく連想できないような、省略された単語などが日常に氾濫しているので、頭を悩ませてしまう。
使われている単語を感覚ではなく、意味合いを理解して使用したいものだ。
ポッドキャストで聴く
今回の内容は、2022年2月3日にポッドキャストで配信されている。
ぜひともラジオ感覚で、ポッドキャストを楽しんでもらいたい。
- Googleポッドキャストで聴く
- Spotifyで聴く
- Appleポッドキャストで聴く
- Anchorで聴く