10月1日から携帯電話の「SIMロック」が原則禁止となった。
しかし多くの人は、SIMロックが原則禁止、と言われてもピンとこないかもしれない。
これは、通信業界において、そしてスマホを利用しているユーザにとっては、かなり大きなポイントになる。
SIMカード
docomoやau、SoftBankなどで契約してスマホを購入すると、スマホへmicroSDカードとは違うカードを挿入する。
あのカードが、SIMカードだ。
SIMカードをスマホに挿入することで、通話や通信を行えるようになるが、どんなスマホに挿入しても使えるというワケではない。
たとえば、docomoで購入したスマホに、auで契約した時に受け取ったSIMカードを挿入しても通話や通信ができない。
これは、端末を購入した通信会社以外のSIMの利用を制限されているためだ。
そう、これがSIMロックと呼ばれるものになる。
SIMロック
2015年になると、総務省によってSIMロック解除が義務化され、購入後、一定期間が経過すればSIMロックを解除することができるようになった。
そして2019年には、一定の条件を満たした場合に限って、即時ロック解除が可能になったりと徐々にルールが変更されている。
そんなSIMロックが、10月1日から、いよいよ原則禁止となった。
もちろん、スマホの分割払いの未払いを防止するのが困難と認められる場合などでは、例外的にSIMロックされることもあるが、基本的にはSIMロックがされていない状態で、スマホなどの端末が販売される。
SIMロックが原則禁止となると何が良いのか?
そんな疑問が出てくるだろう。
最大のメリットとしては、通信会社を気軽に乗り換えられることだ。
通信会社を変更しても、今のスマホを使いたいと思っている場合は、
- SIMロック解除が必要かどうか?
- SIMロック解除が必要な場合は、自分の端末が解除可能な状態か?
- どうやって解除手続きをするのか?
このような確認が必要となる。
そんなに難しいワケではないが、分かりにくい。
そして、何と言っても面倒くさそうに感じる。
そのため、通信会社の乗り換えに、気乗りしないという人も多かっただろう。
だが、そんな確認をしなくても、SIMロックが原則禁止となる。
自分に最適な通信プランを求めて、乗り換えしやすくなったのは、ユーザにとって嬉しいことだ。
対応している周波数帯(バンド)
これで、どこの通信会社でも自由に選べる、やったぜ!
そう単純に喜ぶのは、まだ危険だ。
スマホには、キャリアごとにバンドと呼ばれる周波数帯が割り当てられているので、スマホ側がそのバンドに対応していない場合には通信に支障が出ることもある。
そのため、スマホの機種ごとの対応バンドは、通信会社の公式サイトで確認しなければならない。
しかし、そんな対応バンドを一切気にする必要のないスマホがある。
それが、iPhoneだ。
iPhoneの場合は、全てのバンドに対応するため、何の確認も必要ナシだ。
SIMロックの注意点
そして、勘違いしがちだが、今、使用しているスマホのSIMロックが自動的に解除されるワケではない。
SIMロックがされていないものは、SIMロックがされていない状態で販売されている端末だけになる。
そのため、使用しているスマホのSIMロックを解除するためには、従来通りの手順で、SIMロックを解除するための手続きが必要だ。
SIMフリー
また、SIMフリーという単語を耳にしたこともあるかもしれない。
これは、SIMロックされていないスマホなどの端末のことだ。
SIMフリーのスマホならdocomoやau、SoftBankなど、どこの通信会社のSIMカードでも使用できるが、こちらもバンドに対応している必要があるので、注意が必要となる。
このバンドの問題も何とかしてもらいたいが、まずはSIMロック原則禁止によって、通信会社の乗り換えハードルが1つ下がったのは、嬉しいことだろう。
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今回の内容は、2021年10月14日にポッドキャストで配信されている。
ぜひともラジオ感覚で、ポッドキャストを楽しんでもらいたい。
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